東日本大震災によせて




若者の前向きなパワーを後押し。
NPO法人いわてGINGA-NET 代表 八重樫綾子さん



― 現在までの流れをお聞かせください。

2011年3月11日は、岩手県立大学3年生でした。震災後、釜石、陸前高田へ災害ボランティアセンターから支援に入り、そのまま全国の大学生のボランティアを受け入れる、地域とのパイプ作りを始めました。試行錯誤の中でしたが、2011年8・9月の夏休み期間には、全国から1000人の大学生を受入れることが出来たので、せっかく出来たこの繋がりを止めてしまうのは勿体ないと思い、在学中でしたがNPO法人「いわてGINGA-NETプロジェクト」を立ち上げ、現在まで代表として関わっています。仮設期間終了を目途にしていましたが、期間延長もあったので今はいつまで、と期限はつけられなくなりましたね。

― 活動はどのようなことを?

年間3回、学校が休みの期間に合わせて大学生の受入れを実施しています。沿岸地域へのボランティア派遣が主ですが、談話室を使った“おちゃっこサロン”を始め、地域コミュニティに入り込む活動も続けています。日が経つにつれサポート内容もニーズに合わせて変わってきています。せっかく出来た県内の大学生と県外の大学生の繋がりを始め、震災後の人の流れを良い意味で生かした活動を目指していこうと思っています。

― 学生の方が地域の方と接することで良い点は?

問題解決まで出来なくても、前向きに考えを持って行けることが、若い人達のパワーだと思うんです。自分達の活動がどこまで役に立っているのか、正直分からない時もありましたが、活動先で「いてくれるだけでいい」と言われた時に「間違ってなかった」と勇気付けられました。こんなふうに、活動の中で自分自身が体感した事を、他の人にも感じてもらい、繋げていきたいんです。心を動かされる場面が本当にたくさんあるんですよ。大学のキャンパスでは決して学べないことを、リアルに感じて欲しいと思います。

― 八重樫さんは、震災がきっかけでボランティアに関わられたのですか?

2008年から学生ボランティアセンターでの活動には参加していました。そのお蔭で震災時には何から始めれば良いか即行動に移せたと思います。公民館を拠点に泊まり込みの合宿を年3回行っていましたから、地域への対応にも早く動けたと思います。2011年は1月に愛知・神戸からの学生と共に雪かき作業のボランティアを行った直後でもありましたからね。

― 多くの学生さんを見てこられて、どのように感じますか?

「やらなくては」と意気込んで来る人よりも、何気なく参加した人の方が、目の前の問題に臨機応変に対応できるなって感じます。マニュアルが無いと進めない、安全対策を把握していないと動けない、そんな学生さんが多いんですが、現地に入ると予想出来ないことばかりです。最初はオロオロしていた子が、だんだん順応して対処していくんですよ。想像力を働かせて体感していけるのはすごいことだと目の当たりにしています。「感謝の言葉が無く切なかった」と口にする学生もいますが、それは良い関係が築けたからこそ出なかったと私は思います。親しくなったからこそじゃないかなって。全てが思い描いているように進まないと言うことを、学生も良い意味で学べるのではないでしょうか。

― 八重樫さんは、被災地の出身ですか?

盛岡なんです。岩手でも内陸と沿岸では余り接点が無くて、私のような内陸部の者は地方から来る人と同じような立場ですよ。活動を始めたころは、関係を築くことって目に見えた成果が分かりにくい分「これが何の役に立つんだ?」と言われたこともありました。同じ事でも必要だと思われる地域もあるのだから、私たちが活動の場所を移ればいいんですよ。支援活動がこちらからの押し付けにならないよう、引き際も大切と学びましたね。

― 何かしたいと思っている学生の方々に一言。

「自分に何が出来るのか」と思いながら踏みとどまっているのなら、一歩足を踏み出して東北へ来て欲しいと思います。その一歩の先を、私たちは応援していきますから。



八重樫綾子さん 24歳
NPO法人いわてGINGA-NET代表。岩手県盛岡市出身。岩手県立大学在学中にNPO法人「いわてGINGA-NET」を立ち上げ、地域貢献を通じて主体的に活動できる若者を育てる。

【リンク】
いわてGINGA-NET






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